大事なのは、見えないものを見る力

昔、掛かってきた電話の声が小さくて、良く聞き取れないことがありました。そういう時って、ついつい、大きな声で話をするのですが、相手は私の大声を聞いて、ますます小さな声で話をするのですね。

この問題、相手を目の前において会話するときの経験から来た勘違いだと思うんですね。機械を介さない対話なら、自分が相手の声を聞くように、相手も自分の声を聞く。だから、相手の声が聞こえにくいなら、こちらの声も、相手にわかりにくいはず、大きな声で話さなくちゃいけません。

でも、電話の場合、こちらで聞こえる相手の声が小さくても、相手の聞いている私の声が小さいとは限らないんですねえ。

一つには、電話機の設定がある、通信ラインの変動もあるでしょう。その他に、話を聞いている周辺の騒音が、向こうとこちらでは違うかもしれない。

電話で話し声の大きさを決める時は、相手の声の大きさで判断してはいけません。それ、まるで、判断材料にはならないんですね。判断材料になるのは、こちらの話を聞いたときの相手の反応。え? なんて声が返ってきたら、良く聞こえていないんじゃないか、と考えてみるべきでしょう。

このお話の教訓は、思い込みで判断してはいけないということ。そこでどんなことが起こっているのか、考えてみなくちゃいけないということ。頭を使うと、直接五感で感じることが出来ないことでも、わかる場合がある、実際に大事なのは、考えて得られた結論である場合も多い、ってことなんですね。