手の震え、制御の問題だと考えたのが、サイバネティックスの祖

手の震え、制御の問題だと考えたのが、サイバネティックスの祖ノバート・ウイナーその人でありました。もちろん、手の震えは、医学の世界では研究されていたんでしょう。だけどこれを制御システムとして考えた、これは凄い着想です。

よく考えれば、人間の筋肉や神経、別に超自然的存在でもないわけですから、位置センサーやモータなんかで構成された、位置制御のシステムと、基本的な部分では違いがないはずなんですね。

で、ウイナーは言いました。フィードバック制御におけるゲインの問題だとね。フィードバック、あるいはクローズドループ制御と言いますのは、目的とする位置と、現在の位置の差、つまり誤差を測定して、これをゼロにするように、モータに回転指令を出すんですね。で、誤差の大きさに対する指令の大きさ(比例定数)をゲインと言うんですが、これが小さいと、誤差が残ってしまう、大きすぎると振動してしまうんですね。

この現象、古くから知られていたんですが、大きすぎるゲインこそが、手の振るえの原因だとウイナー、喝破したんですね。凄いと思いませんか?

人間の神経と筋肉、制御系なんですね。気が付けば当たり前の話。だけど、手の振るえと制御、分野が違う。他人の専門分野にづかづかと入り込む、これ、学者にとっては恐ろしいこと。その分野の専門家からの反発もあるだろうし、専門外の場所で戦う、土地勘がないといいますか、やりにくいんですね。

でも、専門外の人、別の専門知識を持っているんですね。これは大事にしなくちゃいけない。利用しなくちゃいけない。出て行くほうから見れば、チャレンジ精神。これ、ものすごく大事なんですね。

成功の秘訣は、一歩踏み出すこと、かも知れません。