交響詩篇エウレカセブンの凄いところと、ヘンなトコ

4連休の4日目ともなりますと、かなりタルんでまいります。今朝方のNYSEは小動き、NYMEX原油先物は大幅安となっておりますが、どの道本日の東京市場はお休み。明日の朝まとめてみれば良い話ですね。

と、いうわけで、アニメと漫画三昧、たまには野球の日々を過ごしておりました。WBCも無事、日本優勝で終りましたところで、改めてエウレカセブンを見直していたのですが、これは近年まれに見る良く出来たアニメです。まあ、良く出来た、と言いますか、色々と、読みようのある、興味深いアニメ、なのですね。

で、まずはヘンなトコから。

第一に、このアニメ、パロディーなのでしょうか。まあ、以前のギャラクシーエンジェルのオープニングは、目一杯パロっていましたけど、こちらのパロディーは、もしかすると、単なるパクリ、かも知れません。でも、善意(?)で、パロディーであると考えましょう。

まず、ガンダムの雰囲気が色濃いアニメでして、エウレカとレントンの乗るミルバーシュは、どうみたってガンダム。最終兵器みたいなオラトリオナンバー8も、ガンダムシードの終わりの方に出てきた奴とそっくりですね。なんか、NTT東日本がUSENに変わっただけみたいな画像配信もあるし、予告編のしゃべりもそっくり。ま、どちらもバンダイビジュアルの製作だから、ということもあるのかもしれません。まあ、少なくとも、文句は出ませんから、、、

今週は、レントン、お姉ちゃんに出会い、後を追って本棚がたくさん並んでいるところにきます。これ、ネギま!の図書館島みたいですね。

まあ、エウレカセブンのテーマの一つはコミュニケーション。これは、ネギま!も同じでして、コミュニケーションについて語る上で、グーテンベルグの印刷術の発明と、その結果大量に生産されるようになった、書物、というものは、避けては通れないところなのですね。なにしろ、印刷された書物の登場によって、知識は、限られた人の独占を解き放たれ、多くの人々に共有されるものとなったのですから。その象徴としての図書館や書棚はコミュニケーションをテーマとする物語の背景にはぴったりなのですね。

もちろん今日では、印刷術の発明に匹敵する大変動が、コミュニケーションの世界に起こっています。それはインターネット、でして、印刷術が、万人に情報を受け取る道を開いたのに対し、インターネットは万人に、情報を発信する道を開いたのですね。ま、閑話休題、です。

しかしお姉ちゃんの開きました本、縦書きですねえ。いくら、日本の視聴者以外は全て無視、というスタンスであるにしても、本は横書きでも良かったはず。学術論文の多くは、日本でも、横書きスタイルを採用しているのですね。

大体、書かれた文字が全て日本語というのも、おかしいといえばおかしい。だって、主人公の名前、レントンにエウレカ、どう考えても日本の名前ではない。お父さんのアドロック・サーストンにしたってそうですよね。大体、日本製の宇宙船であっても、表示は英語、なんてのは全然珍しいものではありません。売店なんて、格好をつけてアルファベット表示にしても、全然、違和感はなかったのですね。

とは言いましても、エウレカセブンの放送時間は、日曜日の朝7時。これって、子供がアニメを見る時間帯でして、だから日本語表示、という背景があったのかも知れませんね。それにしてはこの内容、子供に見せるアニメとしては、奥が深すぎます。ま、そんなアニメを見て育つ子供達、末恐ろしい、というより、未来が楽しみ、でもあるのですね。

さて、今週日曜日の放映分でパロディらしさを見せ付けたのが、レントンのお姉ちゃんの上唇上側の影、です。これ、ちょっと気になるでしょう。これと同じもの、天使な小生意気の天使恵(あまつかさ・めぐみ)の上唇の上の影があるのですね。これを意図的に真似たのであれば、あまりにも奥が深すぎます。ま、これは、単なる偶然かも知れませんが、、、

しかし、本棚の並ぶシーンで、金枝篇が出てくるのかと、ちょっと期待しましたが、出てきません。結局金枝篇、なんだったのでしょうか。まあ、この本、表紙は、オープニングや33話あたりでホランドが手にしていたものとは多少異なりますが、実在の本でして、文化人類学のジャンルに属する本です。著者のJ.J.フレイザー氏は安楽椅子文化人類学者で、世界の民衆に伝わる物語を収集したのがこの本。ちくま学芸文庫では巻仕立てで、岩波文庫では、1,2,...全5冊セットなどが出ています。まあしかし、アニメに出てくるこの表紙、かなり違和感があるのですが、、、

金枝篇とエウレカセブンとの関係は「王殺し」の伝説でして、ホランドの兄、敵役のデューイが王である父親を殺し、その結果、一族没落に至った、という過去が語られているのですね。

それにしても、登場人物の誰しもが、傷を負い、弱さを持つアンチヒーローの物語、ヒロイン、エウレカにしたところで、母代わりを務めている子供達の母を殺したという、消せない過去を負っており、レントンとの恋物語に関しても、人間ではない、という大問題を抱えている。レントン、お姉ちゃんを、ひょっとすると偽者か、と疑うのですが、それよりもはるかにデカイ問題が目の前にあるのですね。

とはいえ、この二人の間柄、まずまずの信頼関係を構築しております。異質な他者とのコミュニケーションの問題、レントンとエウレカの前には色あせてしまいます。何しろエウレカ、人間ですらない。

その他、エウレカ・レントンと子供達の関係にも、実に興味深い描写がなされているのですね。母が殺されたというトラウマに苛まれる子供達、しかし、エウレカを新たなる母と認めます。一方で、エウレカにべったりのレントンに、一時は銃を向けたモーリスも、レントンに理解を示す、というわけです。恨みや嫉妬といったマイナスの感情は、いくらそれを推し進めてみたところで、何物も生み出したりはしないのですね。結局のところ、愛情が恨みつらみを洗い流す、良い物語ではありませんか。

ま、それを敢て国内向けにした、中国、朝鮮向けではない、ましてや欧米にもおもねない、というところにも、大いにこのアニメ、買われてしかるべき、と思うのですね。

まあ、そんな弱いけど愛すべき人間の織りなす物語、日曜日の7時に放映して子供達に見せる、この教育的効果はとてつもないものがあるのではなかろうか、と考えている次第です。