春の一押しアニメは「マクロスFRONTIER」

この連休中、時間がたっぷりと取れましたので、いろいろなことをやっておりました。その一つが、取り溜めたアニメのチェック。

今春スタートしたアニメといたしまして、以前、「ToLOVEる」をご紹介いたしましたが、これはオープニング(OP)の少々斬新な点が目を引きまして、多少話題にもなってはいるのですが、肝心の中身があまりぱっといたしません。作画も手抜きが目立ちますしね。

その他といたしまして、「コードギアス」や「図書館戦争」は作りも丁寧ですし、コアなファンが付いているようですが、今ひとつ乗り気になれません。

と、いうわけで、私の一押しは「マクロスFRONTIER」。つくりは馬鹿が付くほど丁寧ですし、ストーリーにも無理がありません。

面白いのが、ヒロイン的存在でありますランカ・リーが歌手を目指す、ということで歌を歌うのですが、この歌にあわせて空中戦が展開されるというノリノリのアニメなのですね。まあ、そうではない回も多いのですが、この先も「私の彼はパイロット←YouTube掲載の歌+戦闘訓練のシーン:必見」のパターンを期待いたします。

その他、アニメではありませんがDVDで「アイ・アム・レジェンド」などを借りてまいりました。これ、ただのホラーとして楽しむなら、まあ、それでも良いのですが、いろいろと考え出すときりがないお話でもありますね。

以下、ネタバレ全開ですので、内容に関して知りたくない、という方は、ここでお別れをお願いいたします。

例によりまして、改行を少々入れておきます。

もう宜しいでしょうか?

「ウィルスを暴走車に喩えれば、このウィルスをパトカーにする」という特効薬がお話の冒頭に紹介されるのですが、これが深刻な薬害を惹き起こし、人類の大部分が死滅、免疫のある少数のものだけが正常な状態で生き残るのですが、凶暴化した感染者がそれ以上の数生き残っている、という状況下でストーリーが展開いたします。

このウィルスに感染いたしますと、攻撃性を増す外、太陽に弱いという弱点が生じ、昼間は暗い建物の中で生活し、夜になると町に出てまいります。

こんな世界のニューヨークにただ一人正常な状態で生き残っているのが科学者のネビル、愛犬サムと共にグラウンド・ゼロ(最初に流行が始まった点)にとどまり、ワクチンの研究をいたします。

で、ラットを用いた実験で効果が認められた薬を人体実験すべく、わなを仕掛けて感染者を一人さらって効果を試すのですが、患者は死んでしまいます。

ところが感染者もたいしたもので、ネビルが仕掛けたものと似たようなわな仕掛け、見事にネビルを宙吊りにします。しばし気を失ったネビルですが、やがて意識を取り戻し、ナイフでロープを切って脱出するのですが、怪我を負ってしまいます。

手負いのネビルとサムをウイルスに犯された野犬が襲ってまいります。ネビルはこれを何とか切り抜けるのですが、愛犬のサムがこれにかまれて発病、これを確認したネビルは苦渋の末、サムを殺すことになります。

で、これに怒ったネビル、夜の街に車を駆り出し、感染者を次々と跳ね飛ばします。しかし、やがて感染者の群に襲われ、車はひっくり返って、絶体絶命の大ピンチに!

そこを救ったのが奇跡的に生き残っておりました母子でして、ネビルの自宅に連れ帰り、怪我の手当てをするのですが、太陽が昇る前に自宅に連れ帰ったため、感染者に居所がばれてしまうのですね。で、感染者の大群が、ネビルの自宅兼研究施設を襲ってくる、とまあ、そういうストーリーです。

このストーリー、なんかおかしいと思うでしょう。

そもそもネビルは、感染者を治療するためにワクチンの研究をしております。ラットの実験からいきなり人体実験、というのは乱暴ですが、場合が場合ですからまあ許されてしかるべきでしょう。

しかし、愛犬サムの死に怒り狂って感染者を轢き殺す、というのは少々いただけません。この映画、ネビルを英雄的に取り扱っておりまして、ネビルのこの行為を特に否定的には描写してはおりません。しかし、ネビルのこの行為は、冷静に考えれば「愚行」としかいいようがありませんし、倫理的に考えれば明らかに「悪行」なのですがね。

この謎をつらつら考えておりますと、似たような話に思い当たります。

あれは忘れもしない2001年の9月11日、ニューヨークの貿易センタービルにハイジャックされた航空機が突入し、二つの超高層ビルが崩壊するという事件がありました。

今日、その場所は「グランドゼロ」と呼ばれておりまして、この映画でネビルが自らの居場所を呼ぶ名前と同じです。この映画が「グランドゼロ」なる呼称をあえて使用した理由を考えますと、ここで私が述べておりますことも、あながち妄想ではないような気がいたします。

9.11の攻撃に怒り狂いました米国政府は、関係があるのかないのか良くわからないままイラクに侵攻、イラクの兵士を大量に殺害した後、バクダッドを制圧、フセインを処刑したのは良いのですが、ベトナムの悪夢を再現するがごとく泥沼に足をとられることとなります。

この経緯が、愛犬を殺されて怒り狂ったネビルが感染者を殺しまくったのち、逆襲されて絶体絶命のピンチに陥ったシーンと重なって見えるのですね。

さて、ネビルを救った母子に対応するものが現実の米国にも救いの手を差し伸べるでしょうか?

皮肉なことにこの母は、神の指示で動いている人。救いの地に行くのだ、という母に、ネビルは、そんな馬鹿なことはない、というのですが。

で、お話の最後は、自爆したネビルにワクチンを託された母が救いの地に到着するところ。で、ネビルはレジェンドになった、という落ちなのですが、、、、はてさて。

そもそも、米国が戦っていたのは、ブッシュに言わせれば、イスラム原理主義という宗教的狂信者であったはずです。ネビルも科学者であるわけで、現代医学の知識に基づいてワクチンを開発していたはず。それが、神の声が聞こえる人が最後には正しかったなどという落ちは、どう考えても変なのですね。

このお話を深読みすれば、結局のところ、どっちもどっち、ということではないでしょうか。で、人は理性的に行動すべきであって一時の感情に動かされた者が負け、という教訓が見え隠れしているのではないでしょうか。

まあ、「アメリカ人がこの映画を見てそこまで考えるか」と訊かれれば、「はなはだ疑問である」としかいえないのですが、日本アニメを見慣れている人であれば、その程度の深読みはできて当然なのではないか、などという期待もしたりしておる次第です。

ま、人類の未来も、それほど絶望するようなものではない、ということですね。