マクロスF(最終話)で英語のお勉強(その2)

マクロスF最終話Lunar版での英語のお勉強を続けましょう。泣いても笑っても最終話ですから、あまり先を急がず、じっくりと堪能しつつお勉強することといたしましょう。

ところで、昨日の最後にご紹介いたしましたアルトのせりふ「Thinketh not and thou shalt be the brossom, Thinketh and thou shalt not be. 思わざれば花なり、思えば花ならざりき」ですが、ネットをみておりますとこの意味がわからないという意見が多いのですね。

このせりふの意味に関しましては、第10話でアルト自身が解説をしております。せっかくですから英語版でこの解説を再録することといたしましょう。ちなみに、ソースはここ、Lunar版とは異なる翻訳です。この訳者の技量の差にも注目です。

アルト:Film? 映画?
ランカ:Yeah! They said that the director saw my disc and thought I'm suitable! そうなの。監督さんがね、私のディスクを見て、気に入ってくれたんだって
アルト:That's great! へえ~、良かったじゃないか
ランカ:But I've never acted before. I don't know it'll go well, so I'm very worried. でも私、今までお芝居なんかしたことないし、本当に、うまくできるか、心配で、心配で、、、
アルト:I guess it won't work. まあな、無理だろうな
ランカ:Alto-kun, you're so mean! Lying at this time... you should encourage me! あ~、やっぱり意地悪だよアルト君は。こういうときは嘘だって、できる、って言おうよ

この部分のランカとアルトの会話、実におしゃれだと思いませんか? かつての歌舞伎の名女形のアルトと、これから花開くことになるシンデレラガールの、幕間の会話。贅沢な時間がそこには流れております。

アルト:"Unintentional flowers will broom; intentional flowers will not." 思わざれば花なり、思えば花ならざりき
ランカ:ん?
アルト:That means if you force yourself to act, you will have parts that will not look real. But if you don't force yourself and act from your feelings, it will be beautiful. 頭で演じようとすれば、必ずどこかに嘘が残る。考えず、ただひたすらに感じて、その役になりきれ、ってことだ
ランカ:Amazing Alto-kun! You even know stuff about acting! すごいや、アルト君。お芝居のこともわかるんだぁ!

ランカのこのせりふもすごいですね。ちょっとは名の知れた歌舞伎の名女形でありますところのアルトに、「お芝居のこともわかるんだぁ」ですから。もちろんランカはアルトが歌舞伎役者であったことなど何も知らないから、こんなせりふがでてくるのではありますが。

ここでは、“stuff”という単語に注目しておきましょう。意味は「もの」とか「詰め物」とかでして、日本語の「こと」に対応しております。

“stuff”に似た単語に“matter”があります。こちらは「こと」と辞書には出ておりますが、「事情」とか「事態」とか、ストーリー性のある「こと」を意味しております。ですから、ここでのランカのせりふといたしましては、日本語では「こと」なのですが、個々の事物を指しているわけであり、確かにstuffの方が適当であるように思えます。

そうそう、マクロスFでは“no matter what”「絶対に」という言い回しも多用されていましたね。こちらはどんなことがあろうとも、といった意味合いですから、“matter”でなければいけません。

まあ、これが「何をもってこようとも」であれば“no stuff what”となりそうな気もいたしますが、あまりこういう言い回しはみかけません。

その他、“stuff”には「空気」といった意味もありまして、これはまったくの個人的な感覚ですが、最近流行の「空気を読め」は“Feel the stuff”なり“Sense the stuff”とするのがぴったりではなかろうか、などと考えております。ま、これは広く認められた言い回しではないように見受けられるのですが、、、

まあ、このあたりはまったくの個人的なたわごとです。あまりお気になさらないように。

アルト:I guess... since you're just a side-charactor and don't have many lines... ん、まあ、どっちにしろせりふもない端役なんだろ
ランカ:Even if you say that... それはぁ、そうだけどぉ、、、
シェリル:Hey Alto, how long are going to be on the phone!? ねえ、アルト、いつまで電話してんの?
アルト:I know, I'm coming right now! Sorry, this is a job that the army gave me... Later. わかっている。すぐ行く。やれやれ、軍から広報の仕事が回ってきたんだ。じゃあな

アルト:Why did I think of my father's words? くっ、なんだって親父の言葉なんて、、、
シェリル:Alto! Hurry up! アルトぉ、早くぅ、、、
監督;Starting now. yes now! 本番いきま~す、はいっ本番

もちろん、アルトは、歌舞伎の世界から逃げ出して、パイロットになる道を選んだわけですから、親父の言葉はもはやアルトには無縁の世界なのですね。しかし、そんなアルトにしてみても、生まれ育った中で身についたものからは逃れられない、ということなのでしょう。でもそれも、決して悪いことではないように思うのですがね。

ランカ:I think that was Sheril-sann just then... They are together... 今の、シェリルさんみたいね。ふむ、一緒にいるんだ、、、

この背景といたしまして、アルトをめぐるシェリル対ランカの女の争いがあったわけです。

それはともかく、この短いシーン、「思わざれば花なり」の解説でもあるのですが、それ以前に、実に良いシーンだと思いませんか?

なにぶん、ランカが街角に突っ立ってキャンペーンディスクを配っていたのが前回でして、それを見た映画監督がランカを端役に抜擢(?)、ランカが失意の中で歌う歌が監督に認められたり、準主役を演じることになっていた女優が事故で演技不能になるなどといった運にも恵まれて、ランカが準主役に抜擢されることになるのですね。その最初の部分がこれです。

そういう重要な時点の挿話において、アルトやランカの心は、それぞれの思いに千路に乱れている、というわけ。

なかなか奥の深いアニメですね。

そうそう、その親父の言葉、Lunarの訳は「Thinketh not and thou shalt be the brossom, Thinketh and thou shalt not be.と、古い英語を使っておりますが、今回ご紹介した訳では "Unintentional flowers will broom; intentional flowers will not."と、ダブルクォーテーションで囲まれてはおりますが、普通の英語です。

これでは、ランカが意味を把握できない、その理由がわからなくなってしまいます。古い英語にもさらりと翻訳してしまう、こういうところがLunarのすごいところでして、単なる海賊版ヴィデオ配信などをさせとくにはもったいないと思うのですね。

今回はこの辺で終わりといたしましょう。肝心の最終話のご紹介がぜんぜん先に進んでいないような気もしないではないのですが、、、


あはは、結局第10話を最後まで見てしまいました。それにいたしましても、マクロスFの中でもこの回は、なかなかによくできたお話であるような気もいたします。

このようなすばらしいアニメをみることができる幸せを感じ取れるのは、それなりに幸福なことではある、と私は個人的には思うのですね。

ま、他の方々にとってどうでもよいことであるといわれるなら、それではそれで、何も申し上げることはないのですが、、、(別に非難しているわけではありませんよ)


2016.6.12追記

ご注意:ネット上に公開されているマクロスフロンティアは著作権者に無断で公開されているものが大部分であり、本ブログに掲げたURLの相当部分は既にリンク切れとなっております。原作にご興味のある方は、以下のDVDをご手配ください。

1:第1話収録
2:第2, 3, 4話収録
3:第5, 6, 7話収録
4:第8, 9, 10話収録
5:第11, 12, 13話収録
6:第14, 15, 16話収録
7:第17, 18, 19話収録
8:第20, 21, 22話収録
9:第23, 24, 25話収録