米澤穂信著「小市民シリーズ」を全部読む

以前のこのブログで、「米澤穂信を全部読む」と題しまして、米澤穂信氏のミステリーにランク付けするなどという失礼なことをやっております。

ちなみにそのランクは以下のとおりです。

1位:クドリャフカの順番
2位:愚者のエンドロール
3位:氷菓
4位:遠まわりする雛
5位:犬はどこだ
6位:インシテミル
7位:ボトルネック
8位:春期限定いちごタルト事件
同:夏期限定トロピカルパフェ事件
別格:さよなら妖精

というわけで、古典部シリーズが上位を独占する一方で、小市民シリーズが下位にまとまってしまいました。

しかしこのほど「秋期限定栗きんとん事件(上) 秋期限定栗きんとん事件(下)」が刊行されました機会に、小市民シリーズを通して読みましたところ、これもそれほど悪いものではない、むしろ5位以下にこのシリーズをまとめて入れるべきではなかろうか、というふうに考えを変えました。

順位といたしましては、トロピカルパフェが5位、栗きんとんが6位、いちごタルトが7位といったところでしょうか。栗きんとんも悪くはないのですが、お話が長いのと、動機が今ひとつ弱いという印象を受けます。

今回は、内容の紹介は程々といたしまして、なにゆえに小市民シリーズに対する当初の印象が悪かったのか、という点について御説明したいと思います。

まず、小市民シリーズの主人公は「小鳩常悟郎」と「小佐内ゆき」でして、いずれも小市民たらんことを目標として行動しております。

小鳩の本性は探偵つまり「狐」であり、しなくても良い謎解きをする結果、他人を傷つけ、自らも傷つくという過去を背負っております。一方の小佐内は復讐を何よりの喜びとする「狼」です。で、このような自分の過去に対する反省から小市民であることを自らに課して行動しているのですね。

最初に読みました印象では、小佐内は自閉症の甘ったれと読者(ま、わたしだけかもしれませんが)に誤解されました。まあ、記述がそのような雰囲気をかもし出しておりますし、「小鳩」だとか「小佐内(=幼い)」というネーミングがそういう印象を与えてしまったのかもしれません。

しかし、この二人の本性と、それを隠したいと考える心理までを理解いたしますと、彼らの行動はまことに納得のいくものであり、芯が一つ通った行動ということになります。そういう点で読み方を変えました結果、この「小市民シリーズ」は古典部シリーズに次ぐ名作である、と考えを改めた次第です。

さて、いつもはミステリーであろうと、だれに遠慮することもなく内容をご紹介しておりましたが、今回は少々遠慮しておきましょう。その代わりといってもなんですが、何でも読んでしまうこのブログの本領を発揮いたしまして、この先の展開を少しだけ読むことにいたします。

まず、小市民シリーズは、「春季限定いちごタルト」、「夏季限定トロピカルパフェ」、「秋季限定栗きんとん」とまいりましたので、当然のことながら次回作といたしまして「冬季限定????」が控えておりますことは想像に難くはありません。

しかし、冬にしか得られない製菓用の食材とはいったい何でしょうか。ふうむ、チョコレート系ですかね。ネットを検索いたしますと、ザッハトルテとかコーヒー豆チョコ、チョコレート系以外ではマンゴープリンなどというものがヒットいたします。

確かにチョコレートは気温が高いと溶けてしまいますので、冬季限定にふさわしいスイーツといえるでしょう。しかし、何故にマンゴープリンが冬季限定でなければならないのかという、その必然性が理解できません。

楽天市場でサーチいたしますと、期間限定☆ココ夏完熟生マンゴープリン6個入りなどというものもあるのですが、その限定されております期間は「2009年04月03日10時00分~2009年08月31日23時59分」となっております。マンゴープリン、どちらかといえば夏向きの食品のようではあるようです。

ふうむ、こうまで細かく期間を限定するとは、、、なんか、小学生の口げんかのせりふ「何月ぅ、何日ぃ、何時ぃ、何分、何秒ぉ」なんてのを連想したりしちゃいます。

と、なりますと、ここは素直にチョコレート系ですかね。一応、タイトルにもでてきそうな米澤穂信氏の小市民シリーズ次回作で取り上げられます冬季限定のスイーツは、チョコレート系と、本ブログでは読むことといたしましょう。

次は、物語が語られます時期ですが、「秋季限定」が、主人公たちが高校3年生の、9月で終わっておりますことから、これ以降が舞台となるものと思われます。もちろん、「冬季限定」のスイーツが出てくる以上、冬のお話が含まれている必要があります。

高校の行事では、体育祭、文化祭などがあるはずですが、これは秋の行事であり、その他でありそうな行事といたしまして、クリスマス、正月、受験、そして卒業式などがあります。ということは、これらのイベントをこなしながら物語が展開するのでしょう。特に、初詣などは、いかにも小市民的であり、これを使わない手はないでしょう。

そういえば、チョコレートが絡みますお約束の行事といたしましてバレンタインデーがあります。しかし、果たして小佐内ゆきのこの性格から考えまして、バレンタインデーにチョコレートを贈るなどという行為に及ぶものでしょうか。わたしには、そんなことはとうていしそうには思われないのですね。

ここは、チョコレートのおいしい店に小鳩を招待して、チョコレートケーキをおごるといった、常道を少し外した形に出てくる可能性が高いのではないかと思います。あるいは、おごってもらえるとの小鳩の考えが裏切られ割り勘だった、という落ちかもしれませんね。

さて、小市民シリーズ全体を俯瞰いたしますと、「春季限定」が高校の合格発表で始まっておりますことから、卒業式でシリーズを終えるのが収まりが良いようにわたしには思われます。と、なりますと、いったいどんな事件が、、、

ふうむ、この点につきましては、わたしにもさっぱり見当が付きません。ここは、先のお楽しみということにするしかありませんね。