金融政策をめぐって(付:英語版「指望遠鏡」)

このブログではアゴラの原発関連記事に批判をしてまいりましたが、経済に関する記事はすこぶるまともで、勉強になります。

で、最近話題が沸騰しておりますのが安倍氏の金融政策に対する批判でして、この政策に対しましてはアゴラ以外にも、民主党関係者や日銀総裁はもちろん、経済界からも少々危惧する声が上がっております。

で、安倍氏が反論いたしましたのが「学者のお墨付き」と。

浜田氏の主張につきましては半年ほど前の現代ビジネスの記事を読みますとよくわかるのですが、このあたりに書かれているところによれば、要は日銀の天下り先を確保したいがゆえにオープンマーケット相手の操作はやりたがらないと。もしもそれが有効な手段であるにもかかわらず、自らの天下りのためにしない、ということであれば、これはこれで大問題でしょう。

しかしながら、この件に関しましては池田氏の記事のほうがまともであるように思われます。つまり、こんな操作をしたところで効果はない、ないし副作用のほうが大きい、ということですね。

とはいえ、つまらない攻撃の理由を与えないためにも、日銀は身をきれいにしておかなくてはなりません。つまり、天下り先を優遇するようなことをしていては、まともな判断も、天下りのためだろうなどと言われることになってしまうのですね。

直近の世論調査では、維新が盛り返して自民党と競っておりますが、普通に考えれば12月の衆院選後は自民党を中心とする政権が誕生するはずで、安倍氏が総理の座を射止める可能性は極めて高いものと思われます。

そうなりますと、当然のことながら、彼の掲げております金融政策を実行に移すこととなるのですが、評論家諸氏ほどには、私はそれほど危惧しておりません。

なにぶん、自民党の体質は談合、といっては誤弊があるかもしれませんが、利害関係者間の調整が自民党のお家芸でして、安倍氏の掲げるこの政策がそのまま実行に移される可能性はほとんどないものと私は見ております。

国債の日銀引き受けによる最大のリスクは国債相場の下落でして、こうなりますと真っ先に影響を受けるのがメガバンクと郵貯。特に郵貯は預金を国債で運用しているようなものですから、国債相場が下落いたしますと真っ先に郵貯が破綻することとなります。

バブル崩壊後の金融危機でわが国がどれほど苦労したか、まだ多くの人の記憶に残っているはずでして、そんなリスキーな政策がストレートに実行に移されることはまずあるまい、というのが私の感覚です。


さて、金融政策でいかんともしがたいとなりますと、では、わが国の経済を立て直すにはどうすればよいか、という点が次の問題となります。

そんな特効薬のようなものがあれば誰も苦労しない、といわれるかもしれませんが、実はその手はあるのでして、それがイノベーションです。

たとえば、米国ではシェールガスを採掘する技術が開発され、いずれは世界最大の産油国になるのでは、などといわれております。もちろん、新しい技術に楽観は禁物です。また、現時点ではあれが悪いこれが悪いという意見も多々あるのですが、この技術はまだ応用が始まったばかり、問題点はこれから解決されることになるはずです。そういった問題解決のプロセスを含めてイノベーションと理解すべきでしょう。

イノベーションを理解することはそれほど容易なことではありません。これは、技術内容が理解困難だからというよりは、現時点で存在しない技術は、イメージすることも困難ですし、語ることなどできるはずもないからです。

「暗黙知」、「形式知」という言葉が一時もてはやされた時期がありました。職人技のような言葉にはならない技術を言語や数式で表現すること、これが工場の生産性向上には欠かせないというわけです。

もちろん、機械化するためには、動作を数式や言語で定義する必要がありますし、熟練技術者の腕に頼っていたのでは技術の継承も難しいという問題もあります。だから、こういった努力が無駄であるわけではありません。

しかし、すべてを形式知に置き換えよう、という考え方はどうでしょうか。実は、研究開発の分野では、すべてを形式知に置き換えることは原理的に不可能です。なんとなれば、言語化された知識は古い知識であり、その世界にとどまっていてはイノベーションなど望むべくもありません。

つまりは、今日主流の「論理実証主義」は、イノベーションの世界では役に立たない、論理以前の人間が本来持つ感性を重視しなければ新しいものなどできるわけもありません。

ではどうすればよいか、ということになりますが、以前ご紹介いたしました石井氏の「ビジネスインサイト」によりますと、対象に住み込むこと、離れたところから対象を見るのではなく、その真っ只中にあって考えなければならない、ということなのですね。

これは、ミステリーの世界では「現場百回」とか「事件は現場で起こっている」などといわれるものとも通じますし、商売の世界では「マーケットイン」、つまりは顧客の実情にあわせて商品を供給していかなければならない、ということでもあります。

で、政治の世界でどうなるかといいますと、結局のところ地方のことは地方に任せるしかないように、私には思われるわけです。これを無理に中央でコントロールしようといたしますと、地方の実情にあわない運用がまかり通り、無駄なお金が使われることになります。

最近の世論調査によりますと、民主党も多少支持率を回復し、自民と維新で競り合う中で民主党も存在感を増しております。

安倍氏の無理な金融政策は、この先批判を浴びて、さらに支持率を落とすのではなかろうか、と私は見ておりまして、そうなりますと維新の主張も無視できない状況になるでしょう。で、地方分権を進める、これはわが国の経済におきましてもさほど悪い状況ではないように、私には思われる次第です。


まだ字数制限に余裕があるようですから、前回ご紹介いたしましたアニメ「マギ」のエンディングの歌詞をDailymotion版の英訳とともにご紹介しておきましょう。この歌詞、何がイノベーションをする上で必要かを語っているようにも、私には思われます(中国語版はこちら)。

Take a look through your finger telescope.
覗いてみよう、指望遠鏡

The world you see before your eyes is a story already told.
目に見える世界は、すべて過去の物語さ
Don’t lose sight of the bright future ahead.
輝く未来を見失うなよ
You’re destined to realize great hopes and dreams.
君にはもっといっぱい夢と希望があるんだ
But if you blink for too long, they’ll leave you behind.
ボーとしてたら見逃しちゃうぞ
Instead of searching for an excuse,
できない理由探すより
why not just give it a try?
やってみればよい
Take a look through your finger telescope.
覗いてみよう、指望遠鏡
Make circles with your fingers and put them around your eyes.
指と指を丸め両目に当て
Picture your hopes and dreams.
イメージして探してるもの
Picture your personal adventure story!
頭の中のアドベンチャー
Where are you headed?
どこへ向かう
What can you see
指望遠鏡
in the space between your fingers?
指のその隙間に何が見える?
It might seem far, but it’s really not.
遠いようでも本当は近い
It’s a promise as valuable as any treasure!
予言のような宝物

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