三つの知性と三種類の馬鹿

表題のテーマで三ツ野陽介氏が岡田斗司夫氏の「あなたを天才にするスマートノート」に書かれた「天才の三要素」に基づいたBLOGOSの記事を書かれています。この部分を引用いたしますと次のとおりです。

岡田さんによれば、この図が表しているのは「天才の三要素」なんだそうで、それは「発想力」「論理力」「表現力」である。
発想力と論理力を兼ね備えているが、表現力に欠けているのが「改革者」
論理力と表現力を兼ね備えているが、発想力に欠けているのが「頭の良い人」
表現力と発想力を兼ね備えているが、論理力に欠けているのが「面白い人」
すべてを兼ね備えているのが「天才」
岡田斗司夫さんは、こんなふうに分析している。

で、特性の異なる人は互いに相手の欠けた部分を見て相手が馬鹿に見える、つまりは馬鹿にも三種類ある、というわけです。

私にとりましてこの指摘の面白いところは、以前のこのブログでご紹介しましたちきりん氏の「研究者・勝負師・芸術家」ないし“LOGIC, MARKET, ART”とも、あるいはカントの「理性、悟性、感性」とも共通するところです。

これらの関係は次のようになりそうです。

理性=研究者=LOGIC =論理力
悟性=芸術家= ART =発想力
感性=勝負師=MARKET=表現力

さて、三つの力を全て兼ね備えた人は「天才」ということになるのですが、残念ながらそんな人はほとんどおらず、多くの才能のある人もこのうち二つの力しか兼ね備えていないのが実情ではないかと思います。だから、ベンチャービジネスを起こすときは、複数の人の力が必要になる、と。

異なる二つの力を持つ二人が組んだ場合、共通する力が一つ存在することになります。このとき、何が共通するかによってその会社の性格が決まってくるはずです。

おそらく、理想的な組み合わせは悟性が共通すること。そして一人は論理力で優れた製品を開発し、もう一人は表現力でマーケットに食い込む。この例が悟性と感性に優れるジョブズと、悟性と理性に優れるウォズニアックの組んだアップルであったように私には思われます。イノベーションを主導する企業はこのタイプであろう、ということなのですね。

理性が共通する力である場合には、アイデアを出す人とこれを売り込む人が役割を分担し、双方が理詰めできちんと話し合う形を取るでしょう。これは間違いの起こり難いやり方で、医薬や航空宇宙産業などの高い信頼性が要求される分野には向くように思われますが、すべてが理詰めの事業展開では小粒で終わりそうな気もいたします。

感性が共通する会社は、ファッション産業や外食産業などの分野で成功しそうでして、発想する人とこれを実現する人の役割分担もうまくいきそうです。マーケットに密着した事業展開に向くタイプといえるでしょう。

いずれにいたしましても、他人の欠けた能力を馬鹿にするのではなく、自らに欠けた部分が他人にあることをリスペクトすることが、うまくチームを運営する鍵ではありそうです。


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