上には上が、、、森吉山「九階の滝」をめぐって

私が定期的にチェックしているページの一つに「山いが」があります。「山いが」とは「山にいかないか」の秋田弁「山さいがねか」に由来するもので、主に山中の廃道、林鉄跡、廃トンネルなどなどを訪ねてはレポートすることを売りにしているページです。

私が最初に興味をひかれたのは、奥日光について調べている時、今日では使われていない華厳の滝の観光遊歩道を紹介した「華厳渓谷と鵲橋」に行き当たったからで、なかなか歴史的にも貴重なレポートであるように感じた次第。

で、いろいろと読み進んでいるのですが、圧巻は「無想吊橋」あたりでしょうか。とくにこのページにあります動画が無茶苦茶。危ないので立ち入り禁止、などと書かれておりましても「わるにゃん」とか言いながら、全然気にしないで入ってしまう。当然のことながら、うるさがたの読者からは、そんなことしちゃダメでしょ、といったコメントが付くのですが、なにぶん確信犯ですから言うだけ無駄なのですね。

さて、こういう危ないことばかりをやっておりますと、実際に生命の危険を感じたりする羽目になることもあるわけです。その中でも「シリーズ最大の危機」という映画でおなじみの売り文句がマジ本気で起こりましたのが「森吉林鉄・粒様線」をめぐる攻略戦。人跡未踏の山奥に森林鉄道の廃トンネルがあるとの読者情報を受けて行いました探検ですが、結果は失敗。で、リベンジ戦を挑みましたのが「山行が調査レポ・特別編・森吉様沢計画」です。

このレポート、

<注意書き 読者の皆様へ>

この先は、我々のような素人が立ち入ること自体危険な場所です。
山での遭難は自己責任とはいえ、家族や他人に迷惑をかけることも事実です。
決して、安易な気持ちで真似をなさらないでください。」

などという注意書きを何度もしているように、さすがに無茶なヨッキ氏も、これは危ないという認識があったのでしょう。で、散々危ない思いをして問題の沢に到達するのですが、先へは進めず、この回も断念ということになるのですね。

「山いが」のレポートは、通常、出発から安全圏への帰投までをきっちりと記述するのですが、今回の特別篇は帰路は省略。往きの記述部分に帰路に言及しての反省が多々述べられておりますので、帰路は相当に困難、書くのも憚られるほどであったのであろう、と推察いたします。

日本にだって、山奥には、相当に危険な個所もあるということなのでしょう。それは全然不思議なことでもありませんし、ヨッキ氏、少々無茶をしましたね、くらいの感想であったのですね。

これは2005年のレポートで、私が読みましたのはこれより後のことではあるのですが、いずれにいたしましても相当に昔の話です。

で、最近たどり着きましたページが「森吉山 様の沢キャニオニング その1」「その2」「その3」「その4」「その5」「その6」「その7」です。

この投稿者であります田中氏の前には、絶壁だろうが滝だろうが深い淵だろうが、全く障害ということにはなりません。高さ90mと今回実測いたしました「九階の滝」の一枚岩のスラブもロープ一本でするすると降りてしまうし、小さな滝はジャンプで超え、淵は泳ぐ。しまいにはダム湖に重さ900グラムの携行ボートを浮かべて去っていく。どうすればこんなことができるのでしょうね。

これを読みまして正直感じましたのが、表題に書きました「上には上がいる」ということです。

でも、これでは「山いが」は読むに堪えないどうしようもないページであるかとなりますと、そうも言えない。田中氏のような超人的な技を見せられても、とても自らができそうには思えない。あまりの超絶ぶりに、現実感がわかないのですね。そもそも、危ないことをしているという感じが全然しない。事実、危なくなんかないのかもしれませんが、、、

もちろん、田中氏の記述内容が凄いことは凄い。「山いが」を読んでおれば、同じ場所でこれだけのことをしてしまう、その凄さもわかろうというものです。

願わくば、ヨッキ氏が田中氏に弟子入りして、この技をマスターすること。それができますと「山いが」ももっと探索範囲が広がって充実するのではなかろうかとも思いますが、さて、そんなことは現実的に起こりえるのでしょうか。