深刻さを増す北朝鮮情勢の展開

3/26のこのブログに「風雲急を告げる半島情勢と国内政局」と題する記事を書きましたが、特に半島情勢がますます深刻な状況となっております。

4月末から5月上旬にかけて米国が対北朝鮮軍事行動に出る可能性が高いとの読みは、第一に、韓国へのTHAAD実戦配備が4月中に完了する一方で5月9日の大統領選挙ではTHAAD配備反対を訴える文在寅氏が韓国大統領に就任する可能性が高いことがあげられます。

第二に、3月、4月の2か月間に渡り、フォールイーグルなる米韓軍事演習が行われていること。この期間には通常を上回る米軍兵力がこの地に存在することに加え、演習の一つのテーマが金正恩氏に対する斬首作戦であり、4月下旬になれば実戦部隊の準備が完了することも、この時期の作戦実行には好都合となることがあげられておりました。

ところがここにきて、軍事行動が実施に移される可能性が一気に高まっております。

昨日のニュースは、米原子力空母カールビンソンがシンガポールから朝鮮半島に向けて航行中であると伝えております。またミサイル駆逐艦もサンディエゴから朝鮮半島に向かっているとのニュースも流れております。

二日前のニュースでは、習近平中国国家主席の米国訪問中に米国がシリア空爆を行ったことが大きく報じられております。また、12日にはティラーソン米国務長官がロシアを訪問する予定となっております。

習・トランプ会談で、トランプ氏は中国に北朝鮮の核・ミサイル開発を止めさせるように強く迫ったものと思われますが、中国側からは責任のある回答は得られず、米国側の独自行動に一つの根拠を得た形となっております。

国務長官のロシア訪問に際しても、北朝鮮に対する行動への(消極的ではあるのでしょうが)支持を取り付けることが一つの目的となっていることは十分に考えられるでしょう。

軍事的にも、政治的にも、米国が対北朝鮮軍事作戦を開始する条件は整いつつあります。

親北派の文在寅氏が圧倒的優勢と伝えられておりました韓国大統領選挙ですが、最新の世論調査では、中道色の強い安哲秀氏の支持率が文在寅氏を上回ったとも伝えられております。

現在のところ、韓国大統領選挙の行方は混とんとしておりますが、さすがにこのままでは危ないということに韓国国民も気づいたのではないでしょうか。

ただ、情勢が混とんとした程度のことでは米国が作戦を中止する理由にはならないのではないかと思います。ここは、選挙以前の軍事作戦アリをメインシナリオとするしかないでしょう。

さて、前回の読みでは、我が国では早々に衆院を解散して総選挙になるのでは、とにらんでおりましたが、この読みはどうやら外れです。ことここにきて衆院解散となりますと、選挙期間が軍事行動時期と重なり、選挙の行方が全く読めなくなります。

なぜ安倍氏は解散を避けたかという点は一つのなぞではあり、森友問題程度では解散の大義名分が立たないという理由もあるとは思いますが、テロ対策関連法案の成立を急ぐという理由もあり得るのではないかと思います。

つまり、半島有事の際には、我が国で北朝鮮工作員がテロ活動を行う可能性も指摘されており、これに対する備えもしておかなければいけないという事情があるのですね。

とはいえ、この法案、衆院通過が連休明けとみられておりまして、5月上旬に作戦終了となりますと、あまり役に立つこともなさそうな感じも致します。まあ、やるだけのことはやっておこうという、消極的な取り進め方であるのかもしれませんが、今の政治家がそのような考えをしたとしてもあまり不思議ではありません。

さて、政治の世界は政治家に、軍事的な部分はそれぞれの専門家にお任せするとして、個人的な興味は相場の行方なのですね。

今回の問題は、BLOGOSにもコメントを付けておいたのですが、4月下旬から5月上旬の作戦実施となりますと我が国のゴールデンウィークと重なり、4月29日から5月7日までの間で市場が開くのは5月の1日と2日の二日間のみとなる点でしょう。

特にこの二日間は長期の連休を控え、多くの投資家がリスクオフに動く可能性を危惧しております。つまり、この二日間は相場が暴落するリスクもある、ということですね。

このリスク、買いを考えるなら絶好の機会ともいえます。どうなるかは、現段階ではさっぱりわかりませんが、備えだけはしておこうと考えております。

さて、あまり関係のないニュースかもしれませんが、4月4日には、新たに建造されましたいずも型のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)二番艦が定係港であります呉に入港したと伝えております。半島で事が起これば、この新増感にも早々と出番が回ってくるのですが、さて、いかがなりますことか。


時事通信が伝えたところによりますと、米国は、同盟国にミサイル迎撃準備が整ったことを伝えるとともに、北朝鮮のミサイルに対して厳戒態勢をとるよう要請したとのことです。この迎撃準備とは、おそらくはTHAADの実戦配備が完了したということでしょう。

一方、聯合通信によりますと、北朝鮮に向かっております米空母カールビンソンの朝鮮半島付近の海域への到着は15日ごろとされており、今すぐに何かが始まる可能性は低いものと思われます。

いずれにいたしましても、当面は、関連情勢を注意深く見守る必要がありそうです。