新しい組織の在り方

イケハヤ師、今度は「お金2.0」にご執心です。ここで語られる新しい組織の在り方は、このブログのテーマとも無縁のものではありません。

イケハヤブログからの孫引きですが、以下は面白いところです。

3つ目は、全く無名の共同体がバーチャル国家として名乗りを上げて、新しいモデルを作る未来です。

ISIS、イスラム国は国際政治上は国家として認められていませんし、過激派テロ組織とされています。ただ、彼らは自らを国家と名乗り、電気の供給、水の供給、銀行・学校・裁判所などの近代インフラを独自で整備していると言われています。 またSNSなどをたくみに活用してメンバーを募ったりもしています。

もちろんこれはネガティブな例ですが、今後バーチャル上で国家の機能を代替できるようになると、構成員もメンバーもわからない電子上の国家というのがいくつも登場してきても全くおかしくはないと思います。

このような組織のあり方は、かなり昔から言われていたものです。

以下は、コンピュータ犯罪を取り締まる目的で結成された米国の組織"FCIC"を描写したブルース・スターリングの“The Hacker Crackdown: Law and Disorder on The Electronic Frontier”(今岡 清訳:ハッカーを追え, 1993年出版)からの一節ですが、その組織形態は上に書かれたものときわめて類似しております。

シークレットサービス,FBI,国税局,労働省,連邦検察局の各支局,州警察,空軍,軍の情報部といった FCICの常連は,しばしば自前でアメリカのあちこちで会議を開く.FCICには資金援助はない,会費を請求 することもない.ボスもいなければ本部もない... 人々はやってきてはまた去る ── 正式に「去った」 人間が,あいかわらずうろついていることもある.誰もこの「委員会」の「会員資格」が実際にどういう ものか,はっきりと説明できない.
...
ここ数年,経済評論家や経営理論家は,情報革命の波が,全てトッ プダウンで集中管理される固定的なピラミッド型の官僚制を破壊するだろうと考えている.高度に訓練さ れた「被雇用者」は,より強い自律性をもって自身の判断と動機によってある場所からある場所へ,ある 仕事からある仕事へと非常なスピードと柔軟性をもって動いていくだろう.「特別委員会」がルールとな り,組織の枠を超えて自発的に人々が集まり,直接問題に取り組んで,コンピュータによって支援された 専門知識をそれに適用し,やがて元の場所に戻っていく.

多かれ少なかれ,連邦のコンピュータ捜査のあちこちで,こうしたことは起こっている.電話会社だけが 異彩を放つ例外だが,それは100歳以上の老人なのだ.事実上,この本で主要な役割を果すすべての組織 が,FCICとまったく同じように機能している.シカゴ対策本部,アリゾナ恐喝対策班,破滅の軍団,『フ ラック』のグループ,エレクトロニック・フロンティア・ファウンデーション ── どれもが,「結束の 固いチーム」あるいは「ユーザーズグループ」のように見え,またそのように活動している.それらはど れも,必要に応じて自主的に発生した電子的特別委員会だ.

この部分、ネット上の原文から引用いたしますと、次のようになっております。

FCIC regulars —from the Secret Service, the FBI, the IRS, the Department of Labor, the offices of federal attorneys, state police, the Air Force, from military intelligence—often attend meetings, held hither and thither across the country, at their own expense. The FCIC doesn't get grants. It doesn't charge membership fees. It doesn't have a boss. It has no headquarters—just a mail drop in Washington DC, at the Fraud Division of the Secret Service. It doesn't have a budget. It doesn't have schedules. It meets three times a year—sort of. Sometimes it issues publications, but the FCIC has no regular publisher, no treasurer, not even a secretary. There are no minutes of FCIC meetings. Non-federal people are considered "non-voting members," but there's not much in the way of elections. There are no badges, lapel pins or certificates of membership. Everyone is on a first-name basis. There are about forty of them. Nobody knows how many, exactly. People come, people go—sometimes people "go" formally but still hang around anyway. Nobody has ever exactly figured out what "membership" of this "Committee" actually entails.

Strange as this may seem to some, to anyone familiar with the social world of computing, the "organization" of the FCIC is very recognizable.

For years now, economists and management theorists have speculated that the tidal wave of the information revolution would destroy rigid, pyramidal bureaucracies, where everything is top-down and centrally controlled. Highly trained "employees" would take on much greater autonomy, being self-starting, and self-motivating, moving from place to place, task to task, with great speed and fluidity. "Ad-hocracy" would rule, with groups of people spontaneously knitting together across organizational lines, tackling the problem at hand, applying intense computer-aided expertise to it, and then vanishing whence they came.

This is more or less what has actually happened in the world of federal computer investigation. With the conspicuous exception of the phone companies, which are after all over a hundred years old, practically EVERY organization that plays any important role in this book functions just like the FCIC. The Chicago Task Force, the Arizona Racketeering Unit, the Legion of Doom, the Phrack crowd, the Electronic Frontier Foundation—they ALL look and act like "tiger teams" or "user's groups." They are all electronic ad-hocracies leaping up spontaneously to attempt to meet a need.

今日、ネット上に形成された作業グループの多くが、おそらくは、同様の組織形態をとっているものと推定されます。

これからの社会で生きようとする人には、このような組織形態で構成される社会に参加できる資格を持つこと、具体的には、他の人の持たない、しかし多くの人に必要とされる技術を持つことが肝要である、ということになりそうです。

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